腰以外の体の硬さと腰痛

腰には特に異常がないのに、腰痛が起こる。。。というのは、それほど不思議なことではありません。

いくら腰を検査してもわからないという意味で原因不明とされている腰痛は多々ありますが、本当の原因は「腰以外の硬さ」にある場合があります。

「腰以外の硬さ」とは具体的に何かというと、足首や胸椎、股関節など、腰以外の部位の硬さのことです。

人の体は各部位が複数の関節によって密接につながり、全てが連動して初めて機能します。

その理論をよく理解せずにストレッチなどをすると、体の各部位が正常に作動せず、反対に腰に負荷をかける場合があるので注意が必要です。

繰り返し再発する腰痛に悩んでいる人も、もしかすると足首や股関節の硬さを解消することで、腰への負担を軽減し、痛みのない毎日を取り戻せるかもしれません。

人の体は関節の連動で動いている

なぜ、腰以外が硬いことが慢性腰痛の原因になり得るのでしょうか?まず、体の関節がどのように連動して動いているかを簡単に解説します。

例えば「歩く」という動作1つとっても、複数の関節や部位がお互いに連動して機能しています。

歩行とは、ただ交互に左右の足を前に動かしているだけではありません。

細かく分析してみると、腰が体を支え、股関節が滑らかに動き、膝関節や足首の関節が曲がったり伸びたりしながら、それら各所がバランスよく連動してそれぞれの役割を果たしています。

さらに、歩くときには下半身だけでなく、腕を振るといった上半身の動きも伴います。

それらのどこか1つが正常に動かなくなると、連動している関節や部位のどこかにも悪影響を及ぼします。

試しに、猫背の状態では、腕が上までしっかり上がらないはずです。その状態で、肩を上げ下げしたり、捻り動作をしたりすると、「四十肩」や「五十肩」のような状態になる可能性が増します。

また、猫背でうまく腕が振れないと、足が前に出にくくなり、前傾姿勢になってしまい、しっかりと足に体重が乗りません。

結果、腰に負担がかかり、腰痛の原因となることもあるのです。

足首が硬いと腰が痛くなる?

続けて、体の硬さと腰痛の関係について、もう少し詳しく説明します。

「足首の硬さ」と腰痛を例にしましょう。

皆様は、つま先を上げ下げするときに、足首がどれくらい動きますか?

足首は、つま先を上げる動作では20度くらい、下げる動作では45度くらいが正常な可動範囲とされています。

それでは、足首の関節が硬くなり可動範囲が狭まると、どのような影響が生じるでしょうか?

試しに足の裏をぺタッと床につけたまま、しゃがんでみてください。足首が硬い人の場合、しゃがむことができずに、後ろに倒れてしまうはずです。

これは足首が硬いことによって、しゃがんだときに重心が後ろに移動していることを意味します。

簡単に整理すると、次のような流れになります。

足首の関節が硬い⇒太ももの筋肉が硬くなる⇒骨盤が前傾する⇒反り腰になる⇒腰痛

これが、足首の硬さが腰痛を招く道筋です。

同じ様に、胸椎や股関節など、本来あるべき柔軟性を失うと、体の様々な部分でバランスが崩れ、頑張らなくていい部分が異常に頑張らければならなくなって、腰痛などの痛みが生じてしまうのです。

ここまで、少し専門的に体の関節の連動について説明してきましたが、実は少しも難しい事はありません。

ごく簡単にまとめると、次のようなことだと押さえておけば大丈夫です。

①人間の体は、よく動くべき部分と、安定しているべき部分とが交互に連なってできている

②よく動くべき部分は動かし、安定している部分は安定させることによって、体は痛みなく正常に動く

つまり、人の体は、柔軟によく動いたほうがいい部分と、あまり動かさないほうがいい部分が、交互に連なっているということです。

参考にして下さいね(^^)/

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