腰痛とスポーツ

腰痛は「運動不足が原因」ということをお聞きになったことはありませんか?

ならば、腰痛を治すために何かスポーツでもはじめてみたほうがいいのでしょうか?と聞きたくなりますよね。

いいえ、ほとんどの場合、それは逆効果です。

実は、スポーツのやりすぎが原因で腰痛になる人も少なくないのです。体を鍛えているはずの野球選手の中に、腰痛を抱えている方は多いですし、当院にも、スポーツが原因で腰痛が悪化したという患者様はたくさんいらっしゃいます。

では、なぜ腰痛の改善になるはずのスポーツが、腰痛を発症させてしまうのでしょうか?

理由は、たいていのスポーツが、左右の筋肉をバランスよく使っていないからです。テニス、野球、ゴルフ、サッカー、どのスポーツも、片方の手で打ったり、投げたり、体を捻じったりします。

それを繰り返していくうちに、左右の筋肉のバランスが崩れ、骨盤がゆがんでしまいます。そこから腰痛が引き起こされてしまうというメカニズムです。

動きの激しいスポーツであればあるほど、左右のねじれが強くなりますので、腰痛になる要因が大きいということになります。

筋トレの場合も同じです。「腰痛を治すために腹筋や背筋を鍛えましょう。」と言われることも多いのですが、やみくもに筋トレをしたからと言って、腰痛が治るわけではありません。

以前、1日に腹筋運動を50回されているCさん(49歳/女性)が腰痛を訴えて来院されました。毎日欠かさず行っているせいか、Cさんはまるでアスリートのように割れた腹筋をお持ちです。

にもかかわらず、腰痛になってしまいました。Cさんにはとりあえず、腹筋運動をやめてみてはどうかをお伺いしました。

「腹筋をすると達成感があります。気分もスッキリするのでストレス発散にもなります。せっかくの習慣なので、できればやめたくありません。」とのこと。

「でしたら、せめてゆっくり、左右の筋肉をバランスよく使いながらやってみてはいかがですか?」と、アドバイスをいたしました。

すると、Cさんは「え、腹筋は左右バラバラに使ってなんていません」と怪訝そうに答えます。

そこで、目の前で少し腹筋をしてもらうことにしました。数回の後、私は「では、次に左側のお尻の下にタオルを1枚敷いてみますね。それで先程と同じように腹筋をしてみてください。」と言いました。

Cさんは相変わらず「なんで?」という表情を浮かべながら、いつも通り腹筋を始めました。しかし、「あれ?キツイ!先生、起き上がれません」と驚きの声を上げられたのです。

腹筋運動は、ゴルフやテニスのように、体を捻ったり、片方の手だけを使ったりという動きはありません。一見すると、左右のバランスがとれた運動に見えます。

しかし、実際はその人の体のクセや動かし方によって、左右のどちらかに傾きながら起き上がっているのです。

その上でバランスをとっていることを、当の本人は気づいていません。Cさんの場合、タオル1枚分の段差が生じただけで、左右のバランスが崩れてしまい、いつもの腹筋運動ができなくなってしまったのです。

それは、Cさんがもともと左右の筋肉をバランスよく使っていなかった証拠です。本人が気づかないうち、日常の腹筋運動で左右の筋肉に偏りが生じて腰痛になってしまったのです。

腰痛はよく、「腹筋が弱い」といわれます。また、腹筋をすれば腰痛が治る、ともいわれています。たしかに、腰痛を治すためには、背骨を支える筋肉が鍛えられていることが大切です。

しかし、Cさんのように、やり方を間違って鍛えていたら、それは腰痛を治すための運動ではなく、腰痛を引き起こしてしまう運動になってしまうのです。

皆様も、筋肉のトレーニングには気をつけてくださいね(^^♪
もし、あなたが腰痛でお悩みでしたら、是非一度、かたの整骨院までお越しくださいませ(^^)/

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/

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